釜石は、
「住民が生き生きと
暮らせる観光地」
を目指し、
サステナブル・ツーリズム
(観光SDGs)
に取り組んでいます。
2016年からサステナブル・ツーリズムに取り組み、国内外の数々の賞を頂いている釜石。
このページでは、詳しい背景や受賞実績、取り組みへの評価についてご紹介していきます。
サステナブル・ツーリズム(観光SDGs)とは?
サステナブル・ツーリズムとは、自らの損益だけではなく、地域の「環境」、「社会経済」、「文化」に十分配慮しながら行う、バランスの取れた観光地経営のことです。
以下4つのテーマが、具体的な指針として掲げられています。
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マネジメント
バランスの取れた観光を実現するための管理・運営を行うこと。
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社会経済
地域経済・コミュニティに、ポジティブな影響を与えること。
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文化
有形・無形の文化遺産を保護し、かつ利用しやすい形にすること。
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環境
資源を有効活用し、
かつ自然環境への負荷を減らすこと。詳しく知る▶︎
こうしたテーマの実現のため、釜石は2016年に、サステナブル・ツーリズムの国際基準(GSTC)の導入を決定。
工夫を重ねながら、積極的に取り組んできました。その結果が初めて出たのは、2018年です。
観光地の国際的な認証機関である「グリーン・ディスティネーションズ」において、日本で初めて、「世界の持続可能な観光地100選」に選出されました。
その後も嬉しいことに、国内外で数々の評価や賞を頂いています。
釜石市の主な取り組み
- ・観光SDGsマネジメント(全体計画策定、運営管理、モニタリング等)
- ・観光従事者を増やす活動(体験プログラムの企画、インストラクターの養成など)
- ・釜石小中高校への観光教育の実施
- ・地域商社事業による、食材の地域調達率を上げるための活動(ジオ弁当、ジェラート)
- ・津波の伝承活動、および防災教育への取り組み
- ・森林クレジットの購入による、来訪者へのカーボンオフセット
- ・プラスチックを使用しないイベント開催
- ・岩手大学、東京大学海洋研究所と連携した、学習プログラムの企画運営
- ・廃食油を活用した社用車の利用(バイオエネルギーの活用)
- など
主な実績
- 「世界の持続可能な観光地100選」に選出※日本初
- 「世界の持続可能な観光地100選」に2年連続で選出。
「グリーン・デスティネーションズ・アワード」ブロンズ賞を受賞。※日本初
「サステイナブル・デスティネーションズ・アワード」アジア太平洋部門シルバー賞を受賞。※日本初 - 「世界の持続可能な観光地100選」に3年連続で選出。
- 「世界の持続可能な観光地100選」に4年連続で選出。
- 「世界の持続可能な観光地100選」に5年連続で選出。
「グリーン・デスティネーションズ・アワード」シルバー賞を受賞。※日本初 - 「世界の持続可能な観光地100選」に6年連続で選出。
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世界の持続可能な
観光地
100 選
2018年 選出 -
世界の持続可能な
観光地
100 選
2019年 選出 -
世界の持続可能な
観光地
100 選
2020年 選出 -
世界の持続可能な
観光地
100 選
2021年 選出 -
世界の持続可能な
観光地
100 選
2022年 選出 -
世界の持続可能な
観光地
100 選
2023年 選出 -
グリーン・デスティネーションズ
・アワード
ブロンズ賞受賞
(2019年) -
グリーン・デスティネーションズ
・アワード
シルバー賞受賞
(2022年)
取り組みについての評価
2021年に実施したグリーン・デスティネーションズのアセスメント(評価)によって、基準の70%以上を満たすとされるシルバー賞を受賞しました。
取り組みが未達の部分も含め、今後も地域マネジメントに、より一層努めてまいります。
マネジメント 達成度を測る基準とは?
達成度を判断するために、以下のような基準が定められています。
基準例
サステナビリティ・ コーディネーター |
持続可能な観光地運営を、適正に実施し報告する責任と権限が与えられた担当者がいる。 |
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観光地管理の方針・戦力 | 観光地管理の方針や戦略は、環境、社会、文化、経済の事項に対応しており、複数年計画として立てられ、一般に公開され、常に公開されている。 この方針や戦略は、ステークホルダーとの協議により策定され、継続可能性の原則を含んでいる。観光地において、より広い持続可能な開発政策や活動に関連し、影響を与えている。 |
行動計画(アクションプラン) | 観光地は、目標・行動・対策・責任・時間計画を策定し、実施している。 |
来訪者の満足度 | 観光地での体験の質と持続可能性に対する来訪者の満足度をモニターし、公表している。必要であれば、それに対応する措置がとられている。 |
持続可能性の指標と モニタリング |
環境、経済、社会、文化的な問題や観光による影響など、観光地の持続可能性に関わる指標を定期的に監視し、対応している。 モニタリング方法は、定期的に見直されている。 |
社会経済 達成度を測る基準とは?
達成度を判断するために、以下のような基準が定められています。
基準例
経済効果のモニタリング | 観光の目的地経済への直積的・間接的な貢献度をモニタリングし、公表している。その際、訪問数、訪問者支出、雇用・投資データ、経済的利益の分配に関する証拠など、適切なデータを含めている。 |
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地元企業の支援 | 地元企業、サプライチェーン、持続可能な投資を支援することで、観光消費を地域経済にとどめることを奨励している。 |
地域の特産品や 特色あるサービス |
フェアトレードの方針に基づき、観光のバリューチェーンに地元の職人、生産者、サービス提供者を加えることを支援している。地域の自然や文化、地域性、地域経済に貢献する特産品と持続可能な商品を奨励している。この中には食品、飲料、工芸品、芸能、農産品なども含まれる。 |
観光産業における 地元雇用の促進 |
観光地は、観光におけるキャリアの機会や研修を奨励し、サポートしている。 |
オーバーツーリズムの回避 | 来訪者が地域社会や他の来訪者に与える社会的影響を適応に把握している。 |
文化 達成度を測る基準とは?
達成度を判断するために、以下のような基準が定められています。
基準例
有形文化遺産 | 遺跡や建築遺産、典型的または伝統的な建築物、街のデザイン、文化的景観、遺跡などの文化的資産の評価、保存、真正性、美的表現が適切に管理され、実施されている。 |
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観光による文化への影響の管理 | 文化遺産、建築遺産、文化的に重要な景観、土地利用を大切にする観光では、負の影響の回避が注意深く管理されている。損傷、地域文化の崩壊、劣化などのあらゆる影響は適切に監視され、対処されている。 |
無形遺産 | 地域の伝統、芸術、音楽、言語、美食など、地域のアイデンティティや独白性を表す無形文化遺産が適切に保護され、賞賛される。 |
文化的な遺産の保護 | 歴史的・考古学的な遺物(工芸品、化石)の販売、取引、展示、贈答は適切に規制され、実施されている。観光事業者や観光客を含め、法律が一般に周知している。 |
先住民の知的財産 | 先住民、地域住民、コミュニティの知的財産権は、法律や政策によって効果的に保護されている。 |
環境 達成度を測る基準とは?
達成度を判断するために、以下のような基準が定められています。
基準例
観光が自然に与える影響 | 観光が自然環境に与える影響を測定し、モニタリングしている。観光による自然への影響が特定され、適切に対処されている。 |
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水資源の調達 | 観光地の水資源と使用量が適切に管理され、モニタリングされている。水に関するリスクが評価され、文書化されている。リスクがある場合、観光による水利用が地域社会や生態系の水の需要を損わないよう、ウォーター・スチュワードシップの目標を定め、企業とともに積極的に推進している。 |
廃棄物の分別とリサイクル | 廃棄物の分別に関する定量的な目標が設定され、適切に監視・報告されている。産業廃棄物を含むすべての廃棄物は、廃棄物の種類ごとに効果的に分別されたマルチストリームの回収・リサイクルシステムを提供することで、埋立地からの転換を図るために適切に分別・処理されている。 |
低インパクトのモビリティ | 観光地は、交通に関連する大気汚染や観光地での混雑を最小限に抑えるため、低インパクトのモビリティ戦略を採用している。徒歩や自転車、持続可能な低排出ガス車の利用を推進している。 |
再生可能エネルギー | 化石燃料への依存を減らし、再生可能エネルギーの使用を増やすための定量的な目標が設定され、適切な措置が取られている。再生可能エネルギー技術を奨励するためのインセンティブがある。 |