釜石オープン・フィールド・ミュージアム
構想とは?
釜石全域を「屋根のない博物館」と見たてた観光地域コンセプト。
住まう誇り・郷土愛を醸成しながら、観光地域づくりを行う仕組み。
目指す未来
住民と来訪者で、
持続可能な観光地を実現する。
- 釜石のファン・関係人口を増やし、継続来訪を促進することで、経済的な持続性を保つ。
- 住まう誇り・愛着の醸成、および関係人口・移住者の増加の促進により、まちの人口を保つ。
- まちの歴史や伝統文化、記憶を保存し、未来に継承する。
- 自然環境の保全により、まちの魅力を保ち、さらなる観光資源の発掘に繋げる。
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観光地域づくり
オール釜石で地域の宝を発掘し、
来訪者に紹介する。
- 地域の宝とは、自然、歴史、文化、住民の生き様や生業、地場産品・サービスなどを指す。
- 発掘とは、地域の宝を発見・再確認し、「博物館」として楽しめるよう磨き上げること。
- 紹介とは、地域の宝と来訪者を様々な形で繋げ、ファンづくりをすること。
- 発掘・紹介の過程で、住まう誇りや郷土愛が醸成され、 地域活性の担い手となる人財が育つ。
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来訪する価値
来訪者は、地域の宝を何気なく
体感し、楽しめるから、面白い。
- 「屋根のない博物館」であるこのまちでは、地域の宝に何気なく触れ、価値を感じ、楽しむことが出来る。
- 宝を知るほど面白く、訪れるほど、より深く楽しむことが出来る。
- 宝に触れる中で活力を得られ、また気付きや学びの中で視野が広がり、新たな可能性が見つかる。
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釜石オープン・フィールド・ミュージアム構想は、
どんな背景で出来たのか?
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- 「観光」を通して、釜石市を復興させよう。
-
- 基幹産業の衰退、人口減少などの課題を抱えていた釜石は、3.11の被害により、まちも心も大きな傷を負った。
- 復興に際しては、住民が誇り・郷土愛を感じられるまちづくりをしたい。
- 釜石には、磨き上げれば観光資源になりうる魅力が、全域に残っている。
- よって「観光」を通して、釜石市を復興させようと考えた。
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- 住民と共に観光地域づくりを行う
「フィールド・ミュージアム」を知る。 -
- フィールド・ミュージアムとは、エリア全体を「博物館」と見立てる、観光地域づくりの概念の一つ。
- 地元の宝を収集・保存し、誰でも楽しめるように展示・紹介する。また、魅力を地域内外に発信してファンを増やし、関係人口・移住者の増加につなげることで、地域活性化を図る手法。
- 住民が観光地域づくりに参加するため、地域への誇り・郷土愛が醸成される。また、地域活性化を担う人財育成にもつながる。
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- 「フィールド・ミュージアム」になりうる
事業での手ごたえ。 -
- フィールド・ミュージアムになりうる事業を開始した。
→ボランティアツーリズム、かまとら(Meet Up Kamaishiの前身)、震災後に復活したイベント事業 等。 - 試行錯誤の結果、事業が磨き上げられ、参加者は徐々に増加。確かな手ごたえを感じ始めた。
- フィールド・ミュージアムになりうる事業を開始した。
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- 「滞在交流型観光」へのニーズの高まり。
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- 観光の語源は、中国の易経。地域独自の「暮らしぶり」「生きざま」をじっくりと観察すること。
- 「スポット型観光(大型名所を、観光バスで巡るような観光)」が流行したが、今は1か所に滞在し、自然、文化、人々との交流や体験を楽しむ「滞在交流型観光」のニーズも徐々に高まっている。
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- 「フィールド・ミュージアム」の採用を決定。
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- 「フィールド・ミュージアム」は、まさに「滞在交流型観光」の一形態である。
- 「住民が生き生きと暮らすまちこそ、真に楽しめる観光地だ」との考えのもと、観光地域づくりを通して住民の誇り・愛着を醸成する「フィールド・ミュージアム」の採用を決定した。
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- 「オープン・フィールド・ミュージアム」こそ、
釜石が目指す観光だ。 -
- 釜石の大きな宝の一つは、この地に住まう「寛容でオープンな人々」である。
- 近代製鉄発祥地として、江戸末期から戦後の日本を力強く支えてきたここ釜石では、多様な価値観を快く受け入れる「寛容でオープンな心意気」 が育まれ、いまも息づいている。
- この宝の要素を取り入れ、「オープン・フィールド・ミュージアム」を、釜石の観光地域コンセプトに掲げた。
住民が生き生きと暮らすまちこそ、
真に楽しめる観光地だ
住んで良し、訪れて良しという言葉がある。
どちらが先だろうか?
釜石は、「住んで良し」こそ大切だと考えている。
この地に住まう人が、生き生きと暮らせるまちだからこそ、
観光客も心から楽しむことが出来るのだ。
このまちに、ずっと住みたい。大好きだから。
そんな住民の誇り・郷土愛を育み、
関係人口や移住者を増やし、
次世代へ連綿と受け継がれる観光地域を作っていく。